食品工場による異物混入への対応と対処方法

毛髪の混入した食品を見て皆さんはどのように思われますか?

たった髪の毛1本でも消費者に与えるインパクトや不快感は非常に強いものがあります。ましてやお金を出した商品です。製造した企業、販売したお店への不信感も生じることでしょう。たとえ今後の安全な商品を提供したとしても消費者は信用できず二度と買う事はありません

結果、会社の存続は難しく倒産してしまう可能性も十分あります。そうなる前にしっかりと対策をする事が会社の安定、発展に繋がります。

異物混入を防ごう〜毛髪対策編〜

異物混入の内訳

2000年に起きた牛乳食中毒やそれに続く異物混入報道から食品の異物混入のクレームは急速に増え、とある企業では翌年の異物混入によるクレーム件数が8倍に増えたというケースも有るほど異異物混入によくクレームは年々増えています。

しかしこれは異物混入そのものの件数が増えたのではなく、クレームとして表に出る件数が増えたものと思われます。消費者意識は年々高まりクレームの声も積極的に上げるようになっています。

そして異物混入クレームの中でも一番多い原因は毛髪の混入です。

  1. なぜ毛髪対策が重要なのか
  2. 入場前から退場までの毛髪対策
  3. 毛髪混入防止のための改善

なぜ毛髪対策が重要なのか

異物混入のクレームは食品製造業にとって由々しき問題です。しかしさらに問題なのが製品を買わなくなってしまうことです。クレームとして届く声は異物混入全体の2割程度で残りの8割はそのまま買わなくなってしまうと考えられています。

更には口コミやネットの書き込みによってい一気に悪評が広がってしまう怖さもあります。たった1本の髪の毛があなたの会社の信用を一気に落としてしまう可能性もあるのです。

そして毛髪と他の異物の混入との大きな違いは、『毛髪は作業者自信に付随するもの』だということです。作業する人が工場へ入れば毛髪は必然的に持ち込まれます。人間が作業する限り毛髪の混入は食品工場にとって永遠のテーマといえるでしょう。だからこそ徹底した対策が必要なのです。

毛髪にはフケという問題もあり、フケには黄色ブドウ球菌が付着しています。フケを水に浸けて数時間経つと黄色ブドウ球菌は急速に増殖し、高い確率で食中毒の原因になるでしょう。

さらに人間の毛髪は絶えず抜け落ちており、男性は一日でおよそ100本、女性で一日60〜70本の髪が自然に抜けるといわれます。

例えば一日平均70本抜けるとすると1時間当たり3本の髪の毛が抜け落ちる事となります。

  • 1日平均70本÷24時間=2.9本/1時間

そして一日の就業時間が8時間とすると一人当たり24本仕事場に100人の従業員がいたとする一日で2,400本もの髪の毛が抜け落ちる事となります。

  • 3本×8時間=24本/1人
  • 24本×100人=2,400本

毛髪の特徴

  1. 毛髪は作業者自信に付随するもの
  2. 食中毒の元になる
  3. 大量に抜け毛が発生する

食品製造の現場にとっていかに毛髪対策が重要なことかお分かりいただけるでしょう。

ではどのように取り組めば毛髪の混入を防ぐことができるでしょうか。

入場前から退場までの毛髪対策

では、実際に入場する前から退場するまでの間にどのように取り組めば毛髪の混入を防ぐ事が出来るのか考えてみましょう。

入場前の異物混入対策

まず、出社時の私服には必ず毛髪が付いているもので、毛髪は見た目には目立たなく意外と多く付着しています。

さらに、出社時の服装にも気を使わなければなりません。例えばフードにファーなど毛の付いた物を着ている場合にはそのフードからの毛の脱落にも気をつけなければなりませんし黒系の服では付着した毛髪が目立ちませんので注意が必要です。

また、羊毛を使用したセーター等は毛髪が付着しやすく、毛髪が絡まる毛玉が異物混入の原因になったりもしますので工場に着てくるのは避けましょう。

次に出社前に髪をといておくこともとても重要です。最近の工場では下記のようなルールを取り入れて毛髪の混入防止に取り組んでいる工場も増えています。

出社前のルール

  • 前日の洗髪
  • 髪をとかしてから出社

可能ならば更衣室前に1人に1つのブラシを用意し、更衣室に入室する前に必ずブラッシングをするようにすることでより毛髪の混入防止に繋がります。

また、コートなどの上着は更衣室の前にかけておくスペースなどを設置するとより効果的です。

更衣室での異物混入対策

更衣室での着替えは最新の注意が必要です。私服に付いているゴミ、ホコリ、毛髪等が更衣室やロッカーの中で交差して工場用白衣に付着し工場内に入る可能性があります。

ゾーン分けこのような交差汚染を防ぐには、私服を脱ぐスペースと工場用白衣を着るスペースを行為室内でゾーン分けする必要があります。

例えば出社した作業員はまず個人のロッカーの前で私服を脱ぎ、その後より作業場の入り口に近い更衣スペースに移動し毎日クリーニングされた工場用白衣に着替え作業場に向かいます。

このように私服と作業着を交差させないことで私服からの交差汚染をより防ぐ事が出来ます。

Point

  • 私服と工場用白衣を交差させない

上記のように私服のスペースと工場用白衣の保管場所を分けることが一番効果的ですが更衣室で同じロッカーへ保管しなければならない場合には、上に工場用白衣、下に私服を置くようにしましょう。このようにすることで万が一私服から毛髪やゴミ等が落下したとしても上にある工場用白衣へ毛髪が付着することを防ぐことができます。

ロッカーでの保管方法
工場用白衣による異物混入対策

まず、異物混入を防ぐには下記の工場用白衣が必要不可欠となります。

帽子と工場用白衣、マスクは毛髪を始めとした異物混入防止の要です。性能の良いものを正しい手順で装着する事が重要です。

ではどのような工場用白衣を選べば良いのでしょうか。

工場用白衣-上衣-

工場用白衣-上衣-

  • ホコリの付きにくい素材
  • 静電気が起きない素材
  • ボタンではなく隙間のないジッパー
  • 袖が絞り込まれたタイプ
  • 体毛落下防止ネット

工場用白衣-パンツ-

工場用白衣-パンツ-

  • ホコリの付きにくい素材
  • 静電気の起きない素材
  • ベルトのいらないウエスト総ゴム
  • ボタンではなく隙間のないジッパー
  • 裾が絞りこまれたタイプ
  • 体毛落下防止ネット

帽子

工場用白衣-帽子-

  • ケープ等の毛髪落下防止機能付
  • 後頭部からの毛髪落下を防げる頭巾型

上記のような工場用白衣を選ぶことで格段に異物混入を減らす事が出来ます。しかしこの工場用白衣を正しく着用しなければ効果は得られませんので、しっかりと工場用白衣の正しい着用方法を学びましょう。正しい工場用白衣の着用方法については下記ページで紹介しています。

食品工場用白衣の種類と正しい着用方法

また、上記のような食品工場用白衣のお求めはこちらから。

食品工場用白衣のお求めはコチラ

食品工場用白衣

よくある質問で何故マスクが必要なのかとありますが、マスクを着用する理由は口や鼻から黄色ブドウ球菌が落下するのを防止します。鼻毛の落下は黄色ブドウ球菌の落下につながります。そのため鼻に密着させることと、アゴの下まで覆うことが重要です。

ローラーかけによる異物混入対策

工場用白衣に付着した毛髪やホコリ等の対策は吸い取り式機器もありますが、もっとも一般的で強力な方法が粘着ローラーを用いる方法です。

作業場の入り口前でルールに従ってしっかりとローラーをかけましょう。かけ方、何回使用したらテープを剥がすのかをしっかりとルール化しましょう。

ローラーのかけ方のポイント

  1. 頭の上から帽子全体
  2. 肩から背中の上側
  3. 腕の外側
  4. 腕の裏から脇の下、腰まで
  5. 首から胸、腰・上着の下まで
  6. 背中から上着の下まで
  7. ズボンの前と内側
  8. ズボンの後ろ
  9. ローラーをかけた後に異物の有無を確認
  10. ローラーをかける場所には鏡が不可欠
  11. ローラーかけの後に手洗い

11.のようにローラーをかけた後に手を洗うなどのほかの衛生対策との兼ね合いを考えることが重要です。毛髪対策が万全なのに微生物対策が疎かでは論外です。

エアシャワーによる異物混入対策

入口での異物混入対策の最終仕上げがエアシャワーです。

ここでも注意が必要で、シャワー室へ何人も詰め込むのではなく、全員に十分なエアーが当るように定員をルール化し守る事がとても重要です。

ではどのようにエアーかけをするのがよいのでしょうか。

エアーかけのポイント

  1. 両手をあげる
  2. 万遍にエアーが当るようにゆっくりと回転
  3. エアーが完全に止まってから数秒たった後にシャワー室を退室する

3.のようにエアーが止まっても異物が落下するまでシャワー室から出ない事も重要で、この3.が出来ていない食品工場も多いようです。エアーが止まってから深呼吸一回をしてから退室する、あるいはゆっくり二回数えてから退室するなどのルールを設けましょう。また、シャワー室の扉が自動式でない場合には扉の取っ手が汚染されている可能性もありますので、退室後に必ず手洗いをし、次亜塩素酸で消毒することが重要です。

休憩・トイレの際の異物混入対策

休憩やトイレに行くときに防止や工場用白衣を脱ぐか脱がないかをルール化し必ず徹底しましょう。

工場用白衣を『脱いで』休憩やトイレへ入る場合

休憩やトイレの際に脱ぐと言うルールを設けた場合には、私服や休憩用の服に着替えるか、休憩室に工場用白衣を持ち込まないように休憩室の前に工場用白衣をかけるハンガーを設置して工場用白衣をかけてから休憩に入るようにします。

休憩室等は毛髪やホコリ、ゴミ等が落ちているものです。休憩後は必ず朝の入場と同じく手順通りに手順を踏んでから入場しましょう。

工場用白衣を『脱がない』で休憩やトイレへ入る場合

休憩やトイレの際に脱がないとルールを設けた場合には徹底して脱がない事が重要です。

どちらのルールにするにしろ徹底することが重要です。しかし、タタミの上での休憩などの床に直接触れる場合などは工場用白衣へ毛髪、ホコリ、ゴミなどが付着しやすくなりますので『脱ぐ』ルール管理の方が良いでしょう。

毛髪以外の体毛落下防止対策

毛髪以外にも眉毛や睫毛等の体毛の落下も悩まされる問題です。ではどのように対策をすれば良いのでしょうか。

まず、眉毛の落下を防止するにはネットを眉毛までかぶせること睫毛の落下防止には湿式ティッシュで拭く方法が効果的です。また、付け睫毛やマスカラ等は禁止すべきでしょう。そして鼻毛の落下にはマスクを用いて防止しましょう。マスクは鼻にかけたりアゴにかけたりするのと何にも効果がありませんのでやめましょう。また、全身の体毛に気を使うべきですので、夏場に暑いからと腕まくりをしては意味がありません。

このような対策し異物混入を防ぐことで会社の安定、発展につながることでしょう。

毛髪混入防止のための改善

毛髪を工場内から一掃する為には効果的な清掃をする事と、設備などを改善する事が大事です。

効果的な清掃による異物混入対策

作業場や更衣室を清掃して毛髪を取り除いておくことは毛髪混入対策になります。特にロッカーの中の清掃はとても大切で落下した毛髪やゴミを取り除く事で毛髪混入対策に繋がります。例えば毎週ロッカーの清掃をする日をルール化し定期的に清掃するのも良い方法です。

製造する食品、工場の環境に応じて拭き取り清掃にするのか、ブラシかけの清掃にするのか等で適切な清掃方法を選択しルール化しましょう。ただし、エアーで吹き飛ばす清掃は毛髪やホコリ、ゴミを空気中に飛ばすだけで異物混入に繋がりますので禁物です。

動線による異物混入対策

毛髪混入対策ではひとの動線を工夫することも重要な対策となります。

例えば伝票やあて先シールなどの資材の置いてあるデスクが事務所に近い場所にあるとすると、炊飯室、加工室、配送室等のあらゆる部署の作業員が通路を通って集まります。ここで従業員同士がすれ違う事で毛髪の落下や付着が発生したりすることもあります。そこでそのデスクを各作業場の真ん中になるように配置し、他部署の作業員同時が交差することがなくなり毛髪の落下や付着を防ぐ事が出来ます。

動線の例

実際にこの方法で異物混入のクレーム件数を減少させることに成功した工場も多いようです。

照明・目視による異物混入対策

毛髪混入防止対策には目視による確認は疎かに出来ません。しかしそう簡単に目視で確認する事は簡単ではありません。ではどのようにすれば目視による異物混入防止対策の効果があがるのでしょうか。

一番効果的な方法は作業場を出来るだけ明るくすると言うことです。目視による検査の作業場では最低でも500〜700ルクス以上での照明で目視による確認をしたものです。

目視確認に有効なのがHID証明、LED照明が効果的です。

LED照明

LED(発光ダイオード)照明は従来の照明機器よりも少ない電力で十分な明るさを保てる上に、なおかつ防虫効果も高いという結果も出ています。寿命が長く衝撃に強いので割れて異物混入になる危険性も低いと言えます。

HID照明

ディスタージャーヘッドランプの名で自動車の前照灯等として使用されるHID(高輝度放電ランプ)照明は、太陽光に近い特性を持ち広範囲を照らす事が出来ます。目視検査の作業場等に用いれば毛髪等異物発見の効果も期待できます。

もしこのような新しい照明を使用出来ない場合には拡散しにくい蛍光灯で500〜800ルクス以上の明るさを確保すると良いでしょう。

静電気対策による異物混入対策

毛髪は静電気があると付着しやすくなります。工場用白衣からいかに静電気を取り除くかということも異物混入対策となります。

有効な方法として静電気を除去するすだれがあります。これをエアシャワー室の手前に設置することで静電気を取り除いた上でエアーをかけますのでより効果的に毛髪を取り除けます。

また、工場用白衣や帽子等に静電気が帯電しにくい工場用白衣を選ぶ事も対策になります。

工場用白衣による異物混入対策

工場用白衣の洗濯による異物混入対策

工場用白衣を自宅に持ち帰り、自宅で洗濯するケースがありますが、自宅での工場用白衣の洗濯はやまめしょう。自宅で他の洗濯物と一緒に洗濯をするとどうしても毛髪が付着しやすくなるからです。別の物と分けて洗濯しても洗濯槽などに残っている毛髪やホコリ等が付着する可能性が高く良い洗濯とはいえません。自社で専用の洗濯機を用いて毎日洗濯することが一番良い方法ですが、それが難しい場合にはリースを使用する方法もあります。

このように様々な毛髪混入防止対策を紹介しましたが、毛髪の混入が発見された場合に何処で入ったかを皆で検証し、毛髪が入りやすい場所が何処かという傾向がわかれば毛髪混入防止の改善に繋がります。毛髪混入防止対策には終わりがありません。常に危機意識を持って改善、継続出来るよう全従業員が互いに意識を高め合うようにしましょう。

工場用白衣

工場用白衣イメージ

調理用白衣

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サービスウェア

サービスウェア

サービスウェア・和

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エプロン

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ポロシャツ

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